標準化仕様について②「NFV仕様の応用例の紹介」
前回はETSI NFV ISGの仕様の読み方について説明した。今回はその続きで、NFV仕様の応用例を紹介する。
ネットワークの仮想化に追加で求められていること
MANOという新しい機能が提供されることで、更なる運用の改善が検討されている。これらはETSI NFV ISGではFeatureと呼ばれFEAT[通番]として管理されている。2021年3月時点で26のFeatureが定義されているが、基本仕様からの応用的な利用という観点からは以下に分類できるだろう。
- MANOによる既存業務の改善:MANOのカバー機能の拡張、自動化促進
- 装置がソフトウェア化されたことによる機能拡張:VNFの更新
- 新技術との融合:現在標準化中(今後の期待)
NFV仕様の応用
携帯電話のネットワークを構成する交換機や基地局の専用装置部分を仮想化技術によってエミュレートしたVNFのVNF LCMを基本仕様としつつ、NFV仕様は幾つかの応用的な機能を提供している。
MANOのカバー機能拡張
- VNFのカタログ管理:VNF Package Management (NFV-SOL 005)
- 故障管理:Fault Management
- 処理量(トラヒック)管理:Performance Management
- VNF間の接続管理:Network Service (NFV-SOL 005)
- VNFのバックアップ管理:VNF Snapshot Management、VNF Snapshot Package Management
VNFの更新
- VNFのHardware構成変更:Change VNF Flavour
- VNFの接続Network変更:Change external VNF connectivity
- VNFの後継機へマイグレーション:Change current VNF Package (Rel3機能)
- VNFのConfiguration変更:Modify VNF info
自動化促進
- 自動処理ロジックの管理:Policy Management (Rel3機能 NFV-SOL 012)
- MANO自体のOperation Annd Management:MANO OAM (Rel3機能 NFV-SOL 009)
標準化は様々な企業や国がそれぞれの要件をすり合わせ標準仕様化するため、標準化団体や各企業は各仕様に対して中立的な説明となり、それが標準仕様の読み方を難しくしているように感じる。次回は、標準化の現場をお伝えすることで、何故このような標準仕様になっているかを解説したい。
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