グローバルでの交渉のコツ
グローバルで交渉するためにはGive and Takeが大切であり、そのためには知恵orお金or労働力が必要であることをこちらで記載した。英語が聞き取れない&単語しか話せない私がどのように様々な国や企業の人と交渉しているかを記載したい。本質的な交渉のポイントは英語の得意&苦手に関わらず同じであり、英語ができない人はこれらをどれだけ事前に丁寧に準備できるかだと思う。
交渉ポイントと作戦
英語の得意&苦手に関わらず、やはり一番大切なことはこの“作戦“だろう。では、どのように作戦を考えれば良いだろうか?ここでは“どれだけ知恵を提供しながら、こちらのリクエストに関わる点を議論ポイントに持っていけるか?“を考えることになる。こちらのリクエストに対して知恵が不十分な場合は、お金と労働力をオプションで追加する必要がある。
最近流行りの5Gを例に説明したい。5Gで一般的に求められている要件は“大容量・低遅延・多接続“であるが、これを知恵として提供しても誰も聞いてくれない。では、何を考えるべきか?大切なことは、“現在の4Gで抱えている課題“をしっかり丁寧に説明することだ。現在の自分の所属によってどれだけ深く課題を調査できるか変わってくるだろうが、例えば、現在の4Gの運用上の課題は何か?新規サービスを導入するときの課題は何か?開発上の課題は何か?日本独自の課題は何か?と言った点を、どれだけ深く追究できるがポイントである。この課題を5Gの要件と絡めてどのように解決したいか?を説明できる必要がある。私は英語が苦手なので、これを日本語&絵で説明する資料を事前にしっかり作っておくようにしている(その後翻訳ツールで英語化)。つまり知恵とは
これから3〜5年後の世界観=イノベーションによって実現される世界+それによって解決したい具体的な課題
この時の課題について、なるべく具体的な数値を用いて相手がビジネスの規模感を想像できるようにする必要がある。数字だけならば英語が苦手な人でも話せるだろう。私はこのようにして交渉の作戦を立てている。
議論ポイントの考え方
3〜5年後の世界観を資料or英語で説明できれば、次は交渉ポイントを考えることになる。この交渉ポイントこそ“Coffee Breakでの議論ポイント“となる。世界観に入れた具体的な課題+自社の要件 vs 交渉相手の世界観/要件という議論ポイントをおく必要がある。これも私は技術的な課題の絵や比較表などを資料として用意している。
先ほどの5Gの例で言えば、例えば新しい技術の使い方で自社と交渉相手で異なるポイントを見つけ、その違いを絵とメリット/デメリットの比較表で説明するというのが一つの方法である。または、4Gの延長で改善すべき vs 新しいアーキテクチャで置き換えるべき、という議論ポイントでも良いかもしれない。このような点をしっかり絵を使いながら(カンペを利用しながらでも)説明することが大切である。または、ここで自社のロードマップなどを提示しながら“お金“を提供することを暗喩し一緒に協力を促すことでWinーWinとなるポイントの案を提示しても良いかもしれない。
このようにして“議論ポイント“という名目で、交渉ポイントを設置していく必要がある。
英語の得意/苦手の違い
英語が苦手な人は、単純にこれらの資料を丁寧に作っておくことと、カンペを用意することを気をつけておけば良い。そしてこの資料の作り方はBackground→Goal→今日のScopeという順番で作成することと、主体が誰かを明確化することは気をつけて欲しい。
コメント
コメントを投稿