ディナーにおける世間話は最高難易度

 筆者が一番苦労した時間が、ディナーとその時の世間話だ。

日本の飲み会とディナーの違い

日本の場合、夜一緒に夕食を食べに行く=飲み会となることが多いと思うが、私が海外で出会った方々はディナーに行く=食事がメインだった。勿論、皆ビールやワインも飲むが、ビジネスのお付き合いのディナーで酔っ払う人はあまり見たことがないように感じる。もしかしたら、仲間内だけのディナーであれば酔っ払うほど飲む人もいるのかもしれないが、私はそのような光景を見たことがなかった。

私が主に海外出張で訪問した地域はヨーロッパが多いが、ヨーロッパやアメリカのレストランでは、基本的に食事にドリンクをつけることがマナーという風潮もある。しかも、ジュース系や水とアルコールの値段があまり変わらないので、アルコールを頼む人が多いだろう。

また、一昔前は交渉はディナーで行われると聞くが、私の参加したETSI NFV ISGや3GPP-SA5ではディナーで交渉することは少なく、ディナーは食事を楽しみつつ、どんなことを考えているかということを探る場に感じた。

ディナーは誰と行くべきか?

理想は取引先や関連企業と行き、交渉の裏側や本音、将来どんなことを考えているかなどを探ったり、逆に将来の方向性を普及するために会議の場で説明した内容の補足をしたりということに使うと良いだろう。

一方で、海外の方の多くは家族>>>仕事なので、毎日のようにディナーに誘ってしまうとあまり喜ばれない。ビジネスとしてお誘いするケースと、仲間内で楽しむケースと、観光代わりに個人で楽しむケースと分けて計画した方が良いかもしれない。

ディナーでの会話

ヨーロッパ系のディナーはコース料理が多いので、普通に食事をしても1時間以上はかかる。基本的には注文〜前菜〜メインディッシュが届くまでが主な会話時間で、メインディッシュが始まると何となく会話が減る気がする。特に注文した直後は共通の話題を探るところから始まるが、日本のようにスポーツや気候の話をしても共通の話題にならないことが多いので、共通の話題探しはなかなか難しい。私が今までの経験でよく話題に上がった最初の話題探しは、大きく分類すると以下のような内容だった。
  • 少し変わった料理やその調理法
    • 保温鍋での料理、自分の家族の得意料理など
  • 相手の国に関連して、自分が見たことあるニュース
    • 回転寿司の寿司を機械が作っていることを紹介するニュースなど
  • 会議開催場所の近くの観光スポットやレストラン
    • 近場でどこの観光地に行ったかなど
  • フライトやホテルの状態
    • フライトは何時間だったか、ホテルの部屋は広いか、など
  • 世界中で流行っているニュース
    • トランプの選挙、カタルーニャの独立など

ディナーで苦労する理由

会議の議論は、事前に提案資料をチェックしたりできるので、何となく議題や現在の議論状況をトレースできるし、話す内容もある程度確認しておくことができる。基本的にPCを利用しながら会議に参加するので、最悪翻訳ツールを利用して話す内容の英訳を確認することもできる。しかし、ディナーの世間話の場合、全く事前に予測出来ないことと、食事中にPCを開くことも出来ないので、素の自分の英語力で会話することになる。

また、世間話は自分自身のコミュニケーション能力も問われる。皆が深いに思わないような内容で、皆が答えやすい話題を提供する必要がある。逆に、他の人が皆知っているようなニュースや、自国の文化やニュースをしっかり知っていないと、相手から話題を振られてもうまくこたえられなくなる。引きこもりの私には、これもかなり厳しい。

最後に、長時間フライトし、時差のある中会議に参加し、慣れないホテルやレストランなどで生活をするので、段々胃腸を含む身体全体の疲労が溜まってくる。これは体力的にも厳しい。また、肉料理やハンバーガーのようなものの方が、サラダなどの日本人が食べやすい料理よりはるかに安価なので、週の後半になると食事自体がかなりしんどくなる。


ディナー自体は、様々な人の素の意見を聞くことができ、海外の美味しい料理を食べることができるので、リラックスして楽しむ方が良いと思う。その中で、1、2日程度は、ビジネス上のお付き合いのディナーにも参加するというくらいの気持ちでディナーに参加しても良いと思う。慣れてきたら、もう少し色々な人とディナーに参加する頻度を増やしていくことを考えても良いだろう。

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