NFV周辺の関連団体

NFVはテレコム系装置の基盤のような性質があるため、その仕様管理団体であるETSI NFV ISGと関連のある団体は多数ある。そのため、真にNFVと連携が進んでいる団体が見えにくい。

NFV仕様と密接な関係の団体

NFV仕様が参照している密な標準化団体としてOASIS、Swagger、Robot、IETFがある。

  • OASIS: NFVの肝の仕様であるSOL001(TOSCA base NFV  Descriptor)とSOL004(VNF Package)/007(NS Package)/010(Snapshot Package)はTOSCAを参照しているため、そのTOSCAの仕様管理団体であるOASISとは密接な関係がある。Huawei、NetCrackerがリードしている印象がある。
  • Swagger: 現時点ではまだメジャーになっているようには感じないが、SOL008(Open API)はSwaggerを参照しており、SOL002(Ve-Vnfm)/SOL003(Or-Vnfm)/SOL005(Os-Ma-Nfvo)/SOL009(MANO OAM)/SOL011(Or-Or)/SOL012(Policy mgmt)/SOL013(common SOL API)もOpen APIの影響を受けているので、それなりに密接な関係があると言って良いだろう。
  • Robot: こちらもまだ現時点ではメジャーになっているようには感じないが、TST010(API Conformance Test)ではRobot Frameworkを利用して試験自動化を行なっている。
  • IETF:IFA032(Multi-Site Multi-Connectivity)を実現するためのプロトコル評価としてSOL017(IFA032)のGAP分析対象がIETF ACTNとなる。今後NFVにおけるNetworkの制御のために、IETF ACTNの仕様を利用する可能性は高い。

逆にNFV仕様をベースに実装している代表的なOpen  SourceとしてOSM、ONAP、OpenStackがある。興味のある人は2020年のETSI Plugtestの結果も参照して頂きたい。

  • OSM:SOL006(Yang Model base NFV Descriptor)をベースにNFVOやVNFMを実装しているOpen  Source。Telefonicaがメインで開発しているようだ。
  • ONAP:SOL001(TOSCA base VNF  Descriptor)をベースにOSSやNFVOを実装しているOpen Source。AT&TのECOMPとCMCCのOpen-Oをマージしており、2派あるようだ。
  • OpenStack:Tacker PJがSOL001 (TOSCA base VNF  Descriptor)をベースにNFVOやVNFMを実装している。現在はNTTがメインで開発している。

NFV仕様を利用している団体

NFV仕様を利用している代表的な団体は、3GPP SA5、ZSM、MECがある。

  • 3GPP SA5:SA5は3GPPの保守系標準化IFを規定しており、NFVのConsumerとしてOSSの仕様を管理している。3GPP SA5のTS 28.500によるとOSSからNFVのAPIはCallされる。
  • ZSM:保守自動化のためのClosed-loop実現のために標準化団体間の仕様のGAPを確認している。ZSMから見ると、NFVは1つのManaged Domainであり、NFVのConsumerとして今後仕様が規定されていくだろう。
  • MEC:MEC003によると、MECはMEC APPを動作させるための基盤の仕様を管理し、その基盤をNFVのPlatform上にデプロイすることも想定されている。

過去にNFVとの連携として注目された団体の今

参考までに、過去にNFVとの連携が注目され、最近はあまり話を聞かなくなった団体も記載しておく。

  • OPNFV:元々はETSI NFV ISGの仕様をベースにリフェレンス実装を組み立てることを目標としていたはずだが、最近はOpen Sourceのテストベッドというポジションになっているようだ。
  • CNTT:元々はNFVIのProfileを統一することをベースに始まったはずだが、今はOPNFVとマージされ、Verificationの一つというポジションのようだ。

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