グローバル企業と議論するための基礎情報収集
グローバル企業と議論する場合、前提となる基礎情報が異なるケースが多い。例えば、国内では企業名を言えば大凡の売上等は分かるが、海外企業と話す時はしっかり財務情報ベースで話をしないと通じないことが多い。そのため、マーケットニーズの規模と様々な施策のコスト感は金額ベースの定量的(数値的)な情報を把握しておいた方が良い。
共通的な基礎情報
共通的な指標として、主要国の国土情報とマクロ的経済指標、そして主要企業の決算報告書は目を通す習慣をつけた方が良いと思う。
国土情報
国土情報は今の時代はWikipediaで調べれば十分な情報を獲得できる。人口、年齢分布、地理的特徴、政策的特徴、主要産業あたりは抑えておきたい。
マクロ的経済指標
外務省のHPにリンクがまとまっているため、そちらを利用すると簡単に確認できる。特に外務省の『主要経済指標』(2021年分)やOECDの『OECDの主要指標』、JETROの『世界貿易投資報告』、総務省の『世界の統計』は一度見ておくと規模感が分かると思う。
- 景気情報
- GDP: 各国の経済の規模感を知る上ではGDPは一番話がしやすい情報の一つだと思う。関連する国の大凡の規模とトレンド(上昇/下降/横ばい)は抑えておきたい。
- 企業情報
- 設備投資(Gross Fixed Capital Formation): 法人向けのビジネスをする上では、その国の設備投資トレンドとその設備投資額の規模感は抑えておいた方が良いだろう。OECDの『設備投資(総固定資本形成)』から部門(Sector)別で過去10年以上の傾向を辿ることもできる。
- 労働
- 失業率: 一般消費者の懐事情を見る上では、失業率は一度見ておきたい。OECDの『失業率』であれば若手とそれ以外の失業を確認でき、ヨーロッパでは若手の失業率が非常に高いことも分かる。
- 物価
- 消費者物価指数: こちらも一般消費者の消費傾向を見る上では大切な指標であろう。内需を伴う経済成長中か、デフレが起きているのかなどもある程度確認できる。
- 貿易
- 輸出入量: こちらもその国の経済規模を見る上では参考になる指標値である。JETROのサイトでは貿易の内容を細かく調べることもできるので、どのような産業に力を入れているのか、どのような物が自国でまかなえないのかなども分かる。
- 国際収支: こちらはその国が外貨をどのように稼いでいるのか分かる。特に実際に物を輸出入しているのか、それとも投資で外貨を稼いでいるのかなども分かり、日本自身も貿易から投資でお金を稼いでいることも分かる。
- 金融
- 長期金利: こちらも景気を見る上では参考になる情報だろう。
- 株価: こちらも同様に景気を見る上では参考になる情報である。
主要企業の決算報告書
各社の決算報告書は、利益、投資情報、セクタ別の売上、今後のビジネスの方向性など、非常に重要な情報が掲載されている。元ネタは同じなので、使いやすいサイトを利用すれば良いと思う。モーニングスター、Investing.com、ロイター、Bloombergあたりがある程度日本語も使える大手ではないかと思う。
テレコムの基礎情報
テレコムの基礎情報としては、ユーザ数(Subscriber)、売上規模、国内順位、設備数などが基礎情報となるだろう。
オペレータ毎の基礎情報
- Subscriber: WikipediaのMobile Network Operatorにまとまっている。
- 売上規模: WikipediaのTelephone Oprating Companiesにまとまっている。
- 国内順位: Subscriberと同じWikipediaで確認可能
ベンダ毎の基礎情報
- マーケットシェア: 総務省の『情報通信白書』は抑えておきたい。
- 5GのUsecase: 日本政策投資銀行の『5G/ローカル5G調査レポート』が分かりやすい。
この辺の基礎情報はある程度知っておくと、グローバル企業と話をするときも相手の言いたいことが理解しやすかったり、自分の話に説得力を持たせたりできるだろう。
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