O-RAN virtual Face to Face Meeting June 会合サマリ
O-RANのWebサイトを見てもBlogやNewsがこの半年ほど更新されておらずなかなかO-RANの動向が分からない。O-RAN AllianceはETSIや3GPPと比較するとCloseなところで議論が進んでいる印象がある。O-RANの目的やNFVとの関係は「O-RANが盛り上がってきた」を、O-RANの各WGの内容はO-RANの「About」をご確認頂きたい。
O-RAN virtual Face to Faceとは
O-RANの場合、ETSI-NFVのようなプレナリのようなものはなく、各WGが2週間集中的に会議を行っていた。また、時間を合わせてWGを跨いだJoint sessionもいくつも開催されていた。
しかし、プレナリが無いため、全体のレポートや各WGのドキュメントの最終版のようなチェックを各メンバーが行うような場はない。TSC等の一部の委員会で全体チェックをしているようだが、Publishされたドキュメントの品質差が激しく各ドキュメント間の関係も分かりにくいので、特定のメンバーで全体をチェックするのは相当大変だと感じた。
会合サマリ
今回はMVP(Minimum Viable Product)が制定されたことで、O-RANとしての最低限スペックの優先順位付がされた。本会合では、各WGにおいてMVPに沿った議論が行われたようだ。
- WG1 (Usecase and overall architecture): 既存仕様についてはあまり大きな変更はなく、次のWhite Paperの準備。
- WG2 (Non-Realtime RIC and A1): Non-RT RICのアーキテクチャを変更する議論が中心。A1等のインタフェース議論はあまりなかった模様。
- WG3 (Near-Realtime RIC and E2): Slicing, Massive MIMO, xAppsのFCAPSを中心に、Near-RT RICのArchitectureとE2インタフェースも活発に議論。
- WG4 (Open Front haul): M-Planeを中心に議論。ただし、他のWGと比較すると仕様が安定しているため、特定のパラメータに閉じた議論に見える。
- WG5 (F1/W1/E2/X2/Xn): 議論ポイントも進捗も不明だが、3GPPの仕様をベースに幾つかのパラメータの使い方を議論している模様。
- WG6 (Cloudification and Orchestration): O2dmsを中心に何をO-RANとして仕様化すべきかの議論。特に既存仕様(ETSI-NFVやKubernetes)があるため、O-RANとしては難しい舵取りが迫られているようだ。
- WG7 (White-box hardware): Front Haul Gate Way (FHGW)の仕様の議論について実装レベルの細かい議論があったようだ。
- WG8 (Stack Reference design): ほぼ活動がなかったように見える。
- WG9 (Open X-haul): Transport Network (TN)のOperation and Management (OAM)について議論。
- WG10 (OAM for O-RAN): WG10は立ち上がったばかりで、本会合の目玉となった模様。これまでSMOの正体が分からない中で各WGが関連仕様をPublishしてきたので、本会合ではそのマージの議論が行われたが、結論には至らなかったようだ。次回のPublishされたドキュメントでどこまで整理が図られるか期待したい。
- OSFG (Open Source Focus Group): O-RAN Software Community (SC)という団体が立ち上がりメインの活動はO-RAN SCに移ったため、本会合ではあまり活動内容はないようだ。
- SDFG (Standard Development Focus Group): 本会合ではあまり活動内容はないようだ。
- TIFG (Test and Integration Focus Group): 議論内容は不明だが、2020年のPlugfestのNext Stepを議論していると思われる。
- SFG (Security Focus Group): 本会合ではまだ活動内容が不明。各WGの仕様に対してセキュリティ観点でのコメントを始めた模様。
- MVP-C (Minimum Viable Product Committee): MVPに従ってWGを跨いで議論の整理を行なったようだ。
- TSC (Technical Steering Committee): 次のPublishのドキュメントの整理を行なったようだ。
- O-RAN SC (Software Community): Cherry Realseに向けて、SMOとRICを開発している模様。また、もしかするとO-RAN SCが一番技術情報を集めやすいかもしれない。
その他の活動
O-RANはWGも多いにも関わらず、情報があまり公開されていないため、活動状況のトレースはなかなか苦労する。次のPublishされる仕様と、O-RAN SCのCherry Releaseに期待したい。
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