NFV#50@Shanghai & NFV#51@Bonn

 今回のNFV#50はチャイナテレコムがホストし、MWC上海と同日開催だった。またNFV#51はドイツ・テレコムのR&Dセンタ近くの会場だった。今回はオペレータのRoundtableが開催された。

NFV#50 & NFV#51のサマリ

NFVの各Releaseの概要はNFV IFA&SOL(2021年10月)会合サマリとETSI NFV仕様の各リリース機能、詳細はETSI GR NFV 007 Release Description、各仕様の最新状況はOpenboxFeature Wikiを参照して頂きたい。

この半年はRelease6における新しいMANOのアーキテクチャをどうすべきか?が大きな議論ポイントとなっている。

前回NFV#49からの更新は

ComponentOpen SourceInterface NameStage 2Stage 3 studyStage 3 Normative
Traffic EnforcerIstio, CiliumTraffic management interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
済(ed531)API&Resource&Data model
仕様化済(ed531)
Network Configuration Manager調査中Network configuration management interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
未(ed541
/2025年12月末?)
Upgrade VNF Manager調査中
(Argo?)
Upgrade VNF management interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
未(ed541
/2025年12月末?)
Log AggregatorFluentBit, OpenTelemetryLog exposure interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
済(ed531)API&Resource&Data model
仕様化済(ed531)
Log AnalyserOpenSearch, GrafanaLog analysis exposure interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
済(ed531)API&Resource&Data model
仕様化済(ed531)
VNF Metrics AggregatorOpenTelemetry CollectorMetrics exposure interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
済(ed531)未(ed611
/2025年7月末?)
VNF Metrics AnalyserOpenSearch, VictoriaMetricsMetrics analysis exposure interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
済(ed531)API&Resource&Data model
仕様化済(ed531)
Time Manager調査中Time management interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
未(ed541
/2025年12月末?)
VNF Configuration Manager調査中
(Ansible?)
VNF configuration management interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed441)
未(ed541
/2025年12月末?)
PaaS Service Policy AgentOpen Policy Agent, CedarPolicy Management Interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed511)
分析中(ed521)未(ed541
/2025年12月末?)
VNF Testing Manager調査中VNF testing management interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed511)
未(ed611
/2025年7月末?)
PaaS Service Notification ManagerPrometheus Alertmanager, Argo, Kafka, SensuNotifications Management Interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed511)
済(ed531)API&Resource&CRD
仕様化済(ed531)
Configuration ServerSchema-driven Configuration
(SDCIO)
Configuration Data Management Interface機能要件&
IF要件仕様化済(ed511)
済(ed531)未(ed541
/2025年12月末?)
  • Release 6: Usecase検討中
    • latency aspects and new communication technologies for NFV: EVE024としてTSN(Time Sensitive Network)等をNFVで実現するレポート分析中
    • new infrastructure resources for NFV: EVE023として、Hyper-scalerやSmartNICなどの多種多様なインフラを管理するためのレポートレビュー中
    • architectural support for NFV evolution: IFA054として、複雑化したNFVの仕様をシンプル化&最適化し、より拡張性高いアーキテクチャにするStage1&2仕様化中
      • ドキュメント構成含めて抜本的に改版中
    • Serverless and other application virtualization forms in NFV: EVE025として、serverlessとNFVの役割を分析するレポート開始
    • computing and network convergence: EVE026としてネットワーク内でComputeリソースを利用するレポートを分析中
    • Model-as-a-Service (MaaS) in NFV: EVE027としてMaaSのレポートを分析中有
  • White Paper: NFVの価値を可視化するために2つのWhite Paperを作成済
  • Release6における新アーキテクチャ
    • Rel2~Rel5の10年利用したアーキテクチャを(互換性を維持しながら)刷新することを目指して、アーキテクチャの刷新はもとより、管理対象の装置やドキュメントの形態、再利用するIFや仕様まで議論中


    • 管理対象装置
    • Descriptorの記述内容
    • ネットワークトポロジー
    • アーキテクチャ
    • ドキュメント形式

Round Table

今回も中国の標準化団体CCSAや、中国・欧州のオペレータの現状など、盛り沢山のラウンドテーブルだった。
  • CCSA(China Commiunication Standards Association)
    • 『中国における標準化活動動向』によれば、2002年に設立された中国の標準化団体であり、無線や優先の通信のネットワークやプロトコルやセキュリティから、運用、ユビキタスやMachine To Machineなど様々なユースケースまで、幅広い範囲の標準化を推進
    • ETSI NFVの仕様を利用し中国内の通信仮想化の仕様を策定済
    • コンテナの利用についてはネガティブでありContainer on VMを推奨
    • AIの利用を推進しており、6G時代のインフラ構築ではAIとNFVの融合がキーテクノロジーになると想定
  • China Mobile
    • 239のDCと1000以上のEdge Siteの巨大な仮想化ネットワークであり、5GC&VoNRは100%NFVで対応済
    • 6Gに向けては更なる大容量でIntelligenceな通信が必要
    • GPUのリソースプールやLLMの管理を基にNFVを拡張したAIと融合した新しいアーキテクチャを検討中
    • ハイパフォーマンスなサーバ(GPU/DPU)、ストレージ(NVMe)、ネットワークのリソースプール化とAI Accelerator Pooling
    • 新しいタイプのAPLとAIに向けてセキュリティを担保しながらアーキテクチャの進化が必要
  • China Telecom
    • コアネットワークとサービスプラットフォームの2種類のNFV化を実施し、13のCenter DCと多数のEPCやUPFのRegional DCやEdge DCを構築し、5GCとIMSは100%NFV化
    • ベンダー専用のNFVO/VNFM/EMSから、GenericなNFVOやVNFMへ移行中
    • OpenStackベースのPrivate CloudからAWSなどのPublic CloudとのHybrid Cloud、そしてOpenAIなどと連携したAI NativeなCloudへ進化中
    • サイロから脱却し、コンピュート、ネットワーク、ストレージ、PaaSを自由に選び組み合わせられるアーキテクチャを志向
    • ネットワーク、データベース、通信、AI、保守のそれぞれのPaaSがある
    • NFVの仕様をベースAI機能を拡充した自動化


  • China Unicom
    • HW/仮想レイヤー/モバイル装置の3レイヤーの分離、Autonomousに向けたArtificial Drivenな運用、マルチベンダでのO&MがNFVの重要な方向性
    • Cloud NativeとFlexible Networkを融合させた進化
    • Telco Cloud AI Nativeなネットワーク
  • Huawei
    • NFVとAIの融合
    • 早期発見・早期回復に向けたAIを利用したDay2オペレーション
    • CPUとxPUを中心とした新しいリソース
    • Release6の新しいアーキテクチャをベースにCloud for AIに向けた進化


  • ZTE
    • ContainerとAIが次のトレンド
    • AI Infrastructure、AI最適化オーケストレーション、AI Operatorによる3レイヤーのAI対応のアーキテクチャ
    • 垂直統合型の装置がCloud技術によってリソースを共有できる世界が期待値だが、そこまでの技術が未成熟
    • マルチベンダでのデプロイはコストが上昇
    • 標準化とOpen Sourceのフラグメント
    • ITとTelcoのプロダクトライフサイクルのタイミングの違い
  • DTAG
    • GitOpsを利用したCICDのPipelineを利用したモバイル装置のデプロイ
    • 複雑化したモバイルネットワークをKubernetesのOperator Frameworkから制御可能なHost Based Routingによってシンプル化
    • 内製のPipeline、Container基盤によるノウハウの蓄積
  • Swisscom
    • ベンダ基盤を利用しつつ、各種設定のテンプレート化によるGitOpsでの高速デプロイ
  • Telefonica Germany(O2)
    • ベンダーロックインを脱却するためにマルチベンダー化とOutposts化
    • AWSのAI機能を利用した自動化推進
VMからContainerに徐々に標準かも実際のオペレータのデプロイもシフトしつつ、NFVもAIのニーズが高まっている。運用やリソース利用効率を最適化するAI for NWと、GPUをはじめAIを動作させるために必要なリソースを管理するCloud for AIの2軸によってNFVとAIの融合が進むのだろう。

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