NFV#47(2024年10月)@パリ & O-RAN Face to Face@Montreal(2024年10月)会合サマリ

今回のNFV#47は再びパリで開催となり、固定通信系のNetworkXと同場所同日での開催となった。

NFV#47のサマリ

NFVの各Releaseの概要はNFV IFA&SOL(2021年10月)会合サマリとETSI NFV仕様の各リリース機能、詳細はETSI GR NFV 007 Release Description、各仕様の最新状況はOpenboxFeature Wikiを参照して頂きたい。

Release4はTST010のみが残仕様となり、他は全てメンテナンス含めてCloseになっている。Release5は5.1.1がPublishされ、マルチテナント(EVE018)や省電力(EVE021)等の多数のStudyが完了した。

また、複雑になり過ぎてしまったNFV-MANOをシンプル化する取り組み(IFA054)もかなり具体化してきた。

前回NFV#45からの更新は

  • Release4(コンテナ対応): ed461を最終版として残仕様推進中
    • 残仕様であるTST010のed451がStable済(まもなくPublish予定)
  • Release5: v5.2.1のStable化
    • FEAT20(Autonomous): AI技術を利用した自律的なLCMの実現のStage3
    • FEAT24 (Enhansed Generice OAM): SOL024としてStage3中
    • FEAT26(Policy model): SOL022としてStage3推進中
      • TOSCAとYangの言語の比較が完了し、TOSCAベースでPolicyを規定する方向
    • FEAT33(PIM: Physical Infrastructure Manager)IFA053のStage2がPublishされ、Stage3の準備中
      • IPMI, Ansible, DMTF Redfish, OpenStack Ironic, LFN ODIM, metal3等が分析され、PIMの要求機能仕様化
      • Stage3は既存Solutionベースとするか、Declarativeにするか等の分析から入る予定
    • Enh01.01(Certificate Management): CMF向けIFのStage3であるSOL023のStable化
      • VNFへの証明書配布としてSOL001/002/003/005の既存IFを利用したDelegation Mode
      • Register/De-register, 証明書発行/失効/更新が仕様化
      • Certificate Management Interface、Certificate Notification Interface、VNF LCM Interfaceの一部(QueryやNotification等)の3 IF
      • 3GPP SA3やO-RAN WG11等のセキュリティグループとも連携中
  • Release 6: Usecase検討中
    • latency aspects and new communication technologies for NFV: EVE024としてTSN(Time Sensitive Network)等をNFVで実現するレポート分析中
    • new infrastructure resources for NFV: EVE023として、Hyper-scalerやSmartNICなどの多種多様なインフラを管理するためのレポートがStable化
      • NTN(non-terrestrial-networks), HAPS(high-altitude platform stations), UAV(unmanned aerial vehicles), satellite, meta-surfaces等の新しいプラットフォームの分析
      • Smart NIC、AI chips、DPU(Data Processing Unit)等の新しいモジュールの分析
      • 多様なプラットフォームをNFVIとしてデプロイしたり、様々なモジュールをacceleratorとして利用したりするユースケース
    • architectural support for NFV evolution: IFA054として、複雑化したNFVの仕様をシンプル化&最適化し、より拡張性高いアーキテクチャにするレポート開始
    • Serverless and other application virtualization forms in NFV: EVE025として、serverlessとNFVの役割を分析するレポート開始
    • computing and network convergence: EVE026としてネットワーク内でComputeリソースを利用するレポートを開始
  • SylvaとのJoint Session
    • ETSI NFVとSylvaの紹介



      • SylvaはETSI NFV仕様を利用しながらCIS Cluster(コンテナ基盤)の提供を目標
      • ヨーロッパのオペレータを中心に、基盤とVNFが密結合になりがちな現状からの脱却を指向
      • Energy Savingを中心にCIS Clusterのインテグレーションや試験を実施
    • Open Sourceと標準化の連携方法のPanel discussion
      • SBAではなくDeclarativeな仕様にしていくと標準仕様を利用しやすくなるとの議論あり
  • Round table
    • OpenInfraのOpen Sourceトレンド(NFV(24)000226)
      • VMwareからOpenStackへの移行が加速中
      • セキュリティとAIのためにGPUサポートが重要
    • OMDIAの調査結果(NFV(24)000227)
      • AIを取り入れ始めているテレコムオペレーターが加速中
      • 部分的な自動化開始
      • テレコム用のLLMも作成開始
    • OrangeのAIの研究
      • CI/CDにMLのパイプラインを載せるというアイディア
    • DTのGitOpsでのAI活用事例(NFV(24)000228)
      • Development, Rollout, Operationの各フェーズでAIを活用
      • GitOpsを利用した速やかなDeploy&Upgrade
    • TelenorのAI活用案(NFV(24)000229)
      • デプロイ形態毎にAIのアーキテクチャが異なる
    • TelefonicaのGitOpsの活用案(NFV(24)000231r1)
      • GitOpsとCI/CD、AIとAutomationの違いを考察
      • Open Source MANOでGitOpsを使う方法の考案
    • HuaweiのCloud infrastructure
      • コンテナ化されてもMANOは重要
      • 特にUpgradeのような高度な運用でMANOが必要
    • AIとNFVに関するPanel discussion
      • Telenor: コンテナ化しても互換性を維持しながらVMとコンテナをサポートしたことは良かったが、SOL005は改善や近代化が必要
      • DT: 顧客向けUsecaseまたはオペレータ向けの運用改善に魅力を感じなければオペレータは新しい技術に投資はしない
      • Huawei: AIのPlatformとしてもNFVには重要

O-RAN F2F@Incheonサマリ

O-RANの公開仕様はこちら、少し古いがO-RAN全体像はO-RAN virtual Face To Face Meeting Februaryサマリ、SMOやO-Cloudの概要はNFV#40(2022年12月)@London & O-RAN F2F@Madrid(2022年10月)会合サマリを確認して頂きたい。

  • WG1:  Usecase and Overall architecture
    • 形式上はアーキテクチャが記載されているが要件やユースケースがまだまだ不十分
    • Decoupled SMOに向けたSMOの分割
    • SMOの各種サービスの定義
    • SMO Intent managementのモデル議論
  • WG2: Non-real time RIC and AI IF
    • 基本的なアーキテクチャについて議論中
    • Decoupled SMOの影響議論
  • WG3: Near-real time RIC and E2 IF
    • 概ね仕様はテストまで安定化済
    • E2 (Near-RT RIC ~ vDU/vCU): RANコントロールに向けて拡張中
  • WG4: Open Front haul
    • 概ね仕様はテストまで安定化済
    • Sleepモードを中心にメンテナンス中
  • WG5: Open F1/W1/E1/ X2/Xn IF
    • 3GPP仕様に対するO-RAN用Profile
    • 概ね仕様は安定化済
    • テスト仕様について詳細議論中
  • WG6: Cloudification and Orchestration
    • FM/PMを中心にテスト仕様まで概ね完了
    • O-CloudのデータモデルはStage1~2を行ったり来たりしていてまだまだ不安定
    • FM/PMのInformation Model(IM)が概ね完成
    • ClusterのDeploy方法について議論開始
  • WG7: White box Hardware
    • 活動なし
  • WG8: Stack Reference
    • 活動なし
  • WG9: Open X-haul Transport
    • Cross WG (WG1 & WG9, WG6 & WG9, WG11 & WG9)での仕様調整
  • WG10: OAM
    • Decoupled SMOの影響議論
    • TE&IV
    • FM/PMのStage2&3
    • PaaSを利用した新しいOAM
  • WG11: Security
    • Decoupled SMOのセキュリティ
    • セキュリティのテスト仕様
今回も長時間の会議だったが機能要件や各機能部の管理データモデル等のメインの議論が進まず、周辺仕様がどんどん決まっていっているように感じた。

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